惑星の定義

2006年8月、冥王星が惑星から除外されるというニュースが大きく取り上げられました。昔から、太陽系の惑星を順番に、「水金地火木土天海冥」と覚えていた方も多いと思います。現実に、今までの学校でもそのように教えていたようです。しかし、冥王星が除外される直前には3つの惑星が増えるという報道もあったのです。いったいどうなっているのでしょうか。そして、なぜ冥王星は除外されることになったのでしょうか。

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惑星の定義

惑星の定義は、恒星の周りを回る星の中で、褐色矮星(かっしょくわいせい)の理論的下限質量よりも低質量のものとなっています。恒星は核融合によって自ら光り輝く星のことを言い、太陽などがこれに分類されます。しかし、褐色矮星は聞きなれない言葉ですね。褐色矮星とは、軽水素が核融合反応を起こせない星のことです。

核融合と褐色矮星

核融合とは、原子の原子核同士がぶつかることによって他の重い原子になってしまうことです。この時に、大量のエネルギーが発生します。原子力発電所などは、放射性物質が核分裂するときに発生するエネルギーを利用していますが、核融合時の発生エネルギーはその比ではありません。この核融合反応が起こるためには、星の中心の温度が300万〜400万K以上なければなりません。そのためには、最低でも太陽の8%以上の質量が必要です。このことから、惑星の定義は、恒星の周りを回る星の中で、太陽の質量の8%以下のものと言ってもいいかもしれません。

惑星の定義の曖昧さ

しかしながら、上で示した惑星の定義は、世界共通のものではありません。それは、宇宙に関する理論がまだまだ発展途上であり、日進月歩で新たな発見や理論が作られているからです。従って、今現在はこの定義が使われていたとしても、数年後、いや、数日後には新たな定義に変わっているかもしれません。

太陽系の惑星の定義

太陽系においては、惑星は「太陽を中心として周っている星」と慣習的に考えられてきました。まだ観測技術が発達していなかった頃は、水星、金星、火星、木星、土星の5つのみが確認されており、その後の観測技術の発達と天体力学の進歩により、天王星、海王星と、次々に惑星が発見されていきます。

冥王星の発見

1800年以後、火星と木星の間に太陽を中心として周っている星が大量に発見されます。当初は発見されたもの全てが惑星とされていたのですが、あまりにも多すぎることと、あまりにも小さすぎることから、全部まとめて小惑星と呼ばれるようになります。この頃、惑星としては8個が発見されていましたが、1930年についに9番目の惑星、冥王星が発見されます。以後、特に大きな変化もなく、現在に至っていました。

惑星の定義の議論

特に問題がなかったのに、なぜ今になって惑星の定義の話が持ち上がったのでしょうか。これには、やはり観測技術の発達が理由として挙げられます。望遠鏡などの性能が上がり、観測範囲が広がると、当然新しい発見があるものですが、それによって1990年代以後、惑星軌道を持つ星がいくつも発見されます。話題にはなりませんでしたが、学会では新発見した星を惑星とするかどうか論争が起こっていたようです。そして、決定的となったのが2005年のエリスという星の発見です。冥王星はかなり小さな星なのですが、このエリスは冥王星よりも大きかったことから、惑星の定義に関しての議論が高まったのです。

惑星の定義案について

十二個になる場合の惑星の定義

2006年8月にプラハで行われた、国際天文学連合総会で、惑星定義委員会による惑星の定義案がまず公表されました。この案では、

  1. 自己重力が分子間力を上回って静水圧平衡の形状をとるのに十分な質量があり
  2. 恒星の周りを巡る軌道にあって、かつ恒星でも衛星でもない

というものが提起されました。簡単に言うと、直径800km以上あって球形で太陽の周りを周っていれば惑星です、という定義です。これに基づくと、今までの9個の惑星の他に、新たに3つの星が惑星の定義を満たすことになります。新しい惑星が3つ増えて十二個になると言われていたのはこの案が提出されたからです。

8個になる場合の惑星の定義

12個に増える惑星の定義案には、今後観測によって惑星と分類される可能性がある星が12個もあり、また、あまりにも遠い星まで惑星にしてしまうと、いくらでも惑星が増える可能性があるという理由から、多くの反対意見が出ます。そのため、いくつかの修正案が提出されましたが、最終的に採用されたものは、12個になる場合の惑星の定義に加え、 1,その軌道上で他の天体を一掃してしまっているものが付け加えられました。さらに、 2.の部分にも、「恒星の周囲」が「太陽の周囲」に言い換えられたのです。これにより、小惑星は周辺に他の天体があるから惑星にはならず、また、冥王星は太陽周辺ではないとの理由から惑星からはずされ、結果、太陽系の惑星は8個になってしまったのです。冥王星は新しいカテゴリーに分類されることになりましたが、そのカテゴリーの名称はまだ日本語では決まっていません。

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